何が大事かっていう話

いろいろ考えたところ、自然冥利につきるってことなんだよ。

こんにちは、靴磨き職人の坂爪亮介です。


この度の世界的パンデミック現象を経まして、錯乱する情報禍中における憤りはそれはもう甚だしくもあり、ついにはフォークソングに心身を委ねることになりました。

こういう時って「お説教系統のそれ」が欲しくなるこの体の仕組みにご理解される方は少なくないと思います。(スティーブン・タイラーもそんなようなこと叫んでたよ)

確かなものなんてありゃしないんだから、そういう時はなすがままに風に身をまかせること。

僕の頭を作っているおじさんのうちの一人がそう言ってました。


そして今回自分の活動を振り返ってみて気づいたことがあります。

「僕がやっていることは経済の自給自足である」と。


僕は靴を磨く仕事をしています。

それの目的は「靴をきれいにして長く履けるようにすること」です。

以前使っていたTumblrの方ではそれについて語ったこともありますので内容は割愛します。

仕事だからこうだろという一般論に及ばない僕にとっては、「お金儲け」というものがもっとも苦手です。

無論、やらなければいけないこと、やりたいこと、やったほうがいいことといくつかに分かれますが、それぞれを理解した上でこう発言しています。


で、紐付けたいのは「郵送靴磨きについて」なんです。

結論「いろんな物理的なリスクもあるけど、僕がわざわざ参入するマーケットではない」と判断し、頭を悩まされていたこの案件については実施しないことにしました。


いやね、もちろん考えましたよ。


「自粛期間で下駄箱掃除をした時、自分で磨ききれない靴を郵送で受け付けてみよう」とか「そもそもやれるならやったほうがいい」とか「づめくん郵送やらないの?と昔から言われきたからそろそろどうだろうか」とか。

しかし大変恐縮ではありますが、できれば直接来ていただきたい。

ちなみにBritish Wax Jacket Marketの山岸氏とも話をしたことがあるのですが、「僕たちってI am here的なポップアップとか好きよね」って。




周知のように、自粛期間中に差し掛かり、店は営業しているものの皆様判断に託されています。

自分で考えて自分で決めて自分で行動してという、わりと当たり前のことの重要さを此の機に確信しました。

危なかったら避けてみる、判断を煽られず冷静に見極める。そうして風を感じてみるわけよ。



つまりなぜそこまで言うかというと

「僕のやっていることはお金儲けじゃなくて靴磨き」だから。



靴を磨いていて、いろいろなことを感じます。

例えば、どう磨いたらもっと綺麗に仕上がるかとか、こんな風に磨いたらお客さまは喜んでくれるんじゃないかとか。

接客業なので、人と人の○○ってのが強く出るんです。

不器用かもしれないけど、それでもその30分くらいってとっても充実していて、というかそれに近づけるような感覚があります。


最近アニメを見ていて感じたんですけど(後輩が熱弁していた「おジャ魔女」や「ジョジョ」、「ドラシリーズ」とかね)小さいころに何気なく見ていた子供向けのアニメでも、ひとりひとりのキャラクターの人格を形成しているバックグラウンドがあって、強い信念があって、繊細な気持ちの変化があって。結局、そういう人間らしさに魅了されてしまうんですよ、30分もないアニメでも。

僕は靴、または靴をカッコよく履くことそして、そこに見える人間が好きなんです。



これは新しい取り組みへのイントロダクション。

「your_kicks_profile」

こんな人がこんな靴を履いていますっていう、ざっくりとそんな感じ。

SNSを通して発信していくので、よかったら見ていってください。

靴と魂を磨く。

This is Something to drag into. by Ryosuke Sakazume

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